今、日本でも世界でも、お金の価値がどんどん低下しインフレが起こっているということをご存知でしょうか。
日本はデフレじゃなかったの?
いいえ、隠れたインフレは着々と進行中です。
マネタリーベース
マネタリーベースという言葉をご存知でしょうか。
これは平たく言うと市中に出回っている通貨のことです。
正確には、「日本銀行が供給する紙幣」と「造幣局が発行する貨幣」と「日本銀行の当座預金」の合計額です。
このマネタリーベースは全世界でどんどん膨らんでいて、世界中はお金で溢れているのが現状です。
昔は金本位制といって、金(ゴールド)の裏付けがある範囲でしかお金を刷る事ができませんでした。
しかし今は金本位制がなくなり、いくらでもお金を刷る事ができてしまうのです。
お金の本質
そんな時代背景を踏まえながら、ここで、「お金とはなにか」という本質的なことを考えます。
例えば、銀行からお金を借りるとします。
すると通帳に銀行からお金が振り込まれますね。
するとそのお金を引き出して使うことができます。
この一見なんでもないお金のやりとりをよく考えてみましょう。
銀行がお金を貸せるのは、誰かが銀行に預けたお金から出されていると考えがちですが、実はそうではありません。
銀行は、数字の上で記帳すればいくらでも貸せてしまうんです。
つまり無から有が生まれるようにお金が増え、錬金術が毎日のように銀行によって行われているのです。
これを「信用創造」といいます。
お金を生み出しているのは日本銀行でも造幣局でもなく、一般の銀行だったのです。
だからここまでお金が世の中に氾濫し、数字だけが積み上がり、お金の価値が急激に減少しているわけなのです。
このお金の仕組みはMMT理論の本質です。
マネタリーベースという実際の現金の増加以上に仮想的な数字上のお金がどんどん積み上がり、例えば今、日本人みんなが貯金している金額を下ろそうと銀行に行っても、世の中に出回っている一万円札では足りないのです。
実際、日本人の金融資産は1000兆円を軽く超えているのに、世の中に出回っているの一万円札を数えると100兆円程度しかないのですから。
当然ですね。
隠れたインフレ進行中
ドルの価値はここ100年で急落しています。
日本ではどうでしょう。
日本はここ何十年もデフレと言われていて円の価値が高いようなイメージですが、実はそうではありません。
隠れたインフレはどんどん進行しています。
実感していますか?
どうでもよいものの値段はどんどん下がり、本当に価値のあるモノの値段は急激に上がっているのが現状なんです。
例えば食料品の中でも大量生産の農薬漬け野菜や遺伝子組換え食品など、金持ちが買いたがらないものの値段はデフレで下がっています。
しかし私の価値観でお金を使う価値があると判断して購入したモノの値段はこの10年で倍近くまで膨れ上がりました。
例えば、砂鉄からたたら製鉄で作られたホンモノの包丁を10年前に購入したのですが、その時は1本3万円でした。
包丁に3万円は高いかなと思いましたが、価値あるものはいずれお金では買えなくなるものと考え、10年程前に数本購入しました。
今では1本10万円の値が付いています。
繰り返しますが、お金の価値は急激に低下しています。
それは当然の成り行きです。
ここまで無制限にお金という数字だけが膨れ上がってきたのですから。
いずれホンモノの商品を買うことができなくなり、お金が紙くずと化すでしょう。
お金で買うことができるのはだれもが買いたがらない、大量生産の健康を害するモノばかり。
ホンモノはいずれお金では買えなくなります。
消費者の傾向
ここ数年の消費者アンケートでは多くの人が「多少高くても価値あるものだと思えばお金を惜しまない」と考えているそうな。
そしてそれは裏を返せば、価値のないものはいくら安くても買わないということ。
そんなこと当然だと思いますが、現代のストレス社会では意味のないものにお金を使ってストレス発散するという悪循環に陥る人が少なからずいることも確か。
後から、なぜあんなもの買ったのだろうと愕然とするような。
インフレ時代の資産防衛
現金でお金を持っている人は、ドルでも円でも人民元でもポンドでも、いずれ価値はなくなり紙くず同然になるでしょう。
現金でもっているだけでどんどんその価値は低下していきます。
資産防衛を考えるなら、ホンモノを購入しておくしかありません。
それではホンモノとはなにか。
・実用性のあるもの
・価値が普遍的なもの
・人間の健康に資するもの
それは石油由来の化学物質成分を含まない衣食住に関連する商品です。
例えば、
・オーガニック食材(資産としては「塩」「梅干し」「ハチミツ」など半永久的に保存できるもの)
・有害物質を含まない陶器(鍋、皿、コップなど)
・昔ながらの製法でできた調理器具(包丁、網、鍋など)
・昔ながらの製法でできた大工道具(鋸、鑿、錐、玄翁、鉋など)
・オーガニックコットンの衣類
・木と石と土だけでできた古民家
こういったホンモノの価値ある物の値段は(相対的に)どんどん上がっていくでしょう。
さいごに
最近の借金まみれの世界各国の状況に何か違和感を感じている人は、その感覚は正しいです。
数字が積みあがっているだけなのですから。
コメント