先物取引で全財産を2度失った話

全財産を2度失った話 お金の体験談
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はじめに

私は30代の時に2度も全財産を失いました。

いとも簡単に数千万円というお金が消えていく経験でした。

10年に渡ってコツコツ貯金してきた、その全てが一瞬にしてなくなりました。

この体験を記事にして書こうと思えるようになるまで5年かかりました。

記事にすると当時の辛かった体験を思い出してしまうのでどうしても書く気になれなかったからです。

今でも立ち直れたとはいいがたいですが、それでも書く気になれたのは、当時の体験をしっかり向き合って受け止めておきたいと考えたからでした。

馬鹿な奴だと笑わずに読んでもらえれば幸いです。

先物取引を始めたきっかけ

サラリーマン時代の私

私は20代のころ会社勤めをしていて、人間関係や過重労働でいっぱいいっぱいになっていました。

会社に行くのが辛くて辛くて、なんとか会社を辞めるためにお金を貯めようと思いました。

仕事は辛かったなぁ。

それからは、食べたいものも食べず、欲しいものも買わず、趣味も制限してひたすらお金をコツコツと貯める毎日でした。

そんな生活を繰り返しながら10年経ったころ、当時33歳、貯まった貯金は4000万円。

これでリタイアして一生暮らせるのかを考えました。

支出を切り詰め尽くして当時の1年間の支出は100万円程度(食費、住居費、光熱費、通信費、などなど)、4000万円で40年は生きられる。

でも、人生100年時代と言われる昨今、今から40年で73歳ではまだまだお金が尽きてからの人生は長そうだと思いました。

ただ、支出を切り詰めてきたおかげで貯金ができたのと同時に、必要なお金が少なくて済むこともよくわかりました。

「生きるのにお金はそんなに必要ない」、これが10年で得た1つの結論でした。

リタイアするにはまだまだお金が足りないことは事実だったので、100歳まで生きるとしたらあと2000~3000万円は貯めないと。

しかし当時、仕事によるストレスは限界を迎えつつあり、今あるお金を運用して早くリタイアできる貯金を貯めてしまおうと考えました。

資産運用しかない!

資産運用といえば、定期預金、投資信託、不動産投資、株取引・・・いろいろ考えて私は「商品先物取引」を選びました。

<先物取引について>
先物取引は例えばFXなら通貨の価値、商品先物なら商品の価格が今後上がるか下がるかを予想して売買を行う投資です。
ハイリスクハイリターンで、今思えばギャンブルに近いマネーゲームだと思います。
それでもパチンコや競馬のように得られる収入の期待値はマイナスではないので、ハイリスクの投資先としては検討に値すると思います。
<商品先物取引について>
ゴールドやプラチナのような貴金属、コメやトウモロコシのような農作物、原油やガソリンのようなエネルギーなどさまざまな商品が投資対象です。
例えば、我々に最も身近なガソリンの価格は、昨日は1リットル130円だったのに今日は131円に上がったとか毎日変動しますが、それは先物取引で変動した価格が反映されているからです。

商品先物取引を始めた2つの理由

私が商品先物を投資先に選んだ理由は2つあります。

1つはハイリターンが見込めて短期間にたくさんのお金を得られると思ったこと。

もう1つは、価値がゼロにならない金(ゴールド)に投資したかったからです。

当時の日本の借金は国と地方を合わせて1000兆円と莫大で、いつ日本が財政破綻してもおかしくないと考えていました。

日本の借金はどこまで膨らみ続けるのだろう・・・
いつデフォルトしてもおかしくないのでは・・・

財政破綻すればインフレによって1万円札が1円程度の価値になるのではと考え、価値が不変の金(ゴールド)に投資したかったのです。

日本が財政破綻するのは「いつ」か
これほどまでに借金が膨らんでしまった日本は、財政破綻(デフォルト)は最も確率の高いシナリオです。財政破綻するのは確実で、それが「いつ」かということだけが問題です。

取引開始

まずはじめに1000万円をつぎ込み、金(ゴールド)の先物を買いました。

するとなんと数日後には300万円の利益がでたのです。

このとき「お金を得るのって簡単なんだ」って思ってしまったんです。

300万円をこれほど短期間に簡単に得られるという事は、300万円を失うのも一瞬であるということに思いが至りませんでした。

その後もマネーゲームのような感覚でどんどん投資し、少しずつ損失が膨らんでいきました。

1回目の破産

ギャンブル中毒の人はどんなに損が膨らんでもギャンブルを止められないと聞きますが、私もそうでした。

損失を埋めたいという心理がまず働くのです。

2010年に大王製紙の会長の横領事件があり、会社の金をギャンブルにつぎ込んでいたことが発覚しましたね。少しこの人の気持ちがわかる気がします。
とにかく損失が補填できればすぐに金は返せるし、その間借りておくだけみたいな気持ちだったのだろうと思います。

ギャンブルにはまってしまうとどうしても損失補填優先の気持ちがでて、その損失はお金さえ潤沢にあればいつでも取り返せると考えてしまうのです。

投資資金が無限にあればいずれ勝てるのですが、実際は有限なのでどこかで限界がきます。

少しずつ損が膨らんできた私はプロにアドバイスをもらおうと考え、商品先物取引に特化して収益を上げている投資グループに入会しました。

入会金40万円、月会費5万円という高い費用を払って入会し、メールや電話などで投資のアドバイスをもらうという仕組みです。

このときはまだ、この投資グループに入ったことで全財産を失うことになるとは夢にも思いませんでした。

入会して初めてのアドバイスは「ゴムが下がるから空売りせよ」でした。

今でも忘れません。

2016年の年末、売りをしかけたゴムはみるみるうちに値を上げ、4000万円の資金が溶けてしまいました。

これが1回目の破産です(自己破産したわけではありませんが)。

たった1カ月程で、10年かけて貯めたお金が消えてしまいました。

茫然自失で自殺も考えました。

お金がなければこの先も辛いサラリーマン生活を続けなければならないと思うと、涙が止まりませんでした。

損失がどんどん膨らんでいくときのあの気持ちは今でも思い出したくありません。

生きた心地がしませんでした。

自暴自棄になり、大切な家族や友人にも当たり散らし、自分がどれだけのクズ人間か思い知らされました。

2回目の破産

10年かけてコツコツと貯めてきた全財産をほんの一瞬で失うという地獄を味わった私は、しばらく立ち直れず引きこもりたかったのですが、仕事は毎日行かなくてはならず、逆に今思うと仕事のおかげで引きこもらずに済んだのかもしれません。

廃人のようになって毎日を過ごしていましたが、時間の経過が少しずつ心を癒してくれて立ち直り始めます。

そんな日々を過ごし2年ほどたったころ、800万円ほどの貯金ができたので再び先物で損失を取り返そうという気持ちが湧いてきました。

損を取り返すぞ!

先物取引の損失は翌年以降に繰り越すことができて、損失に補填された分の利益には税金がかからず、その期間は3年まであります。

つまりあと1年の間であれば、今年出た利益は過去の損失の補填によって損益通算でき、税金が発生しないのです。

慎重にも慎重を重ね、毎日1万円ずつくらいの利益が確保できればよいと考え、コツコツと先物で利益を上げていきました。

しかしやはり先物は恐ろしい。

プラチナが過去にないくらいに値を下げた当時、買いついてしまったところにさらに値を下げ、全財産の800万円を溶かしてしまいました。

2回目でしたから開き直りに近い気持ちで、お金がなくなってむしろ清々しい気持ちすらあったように思い出します。

結局このようにして、2度目の破産を経験しました。

<結論>
先物取引は必ず個人投資家が損をする仕組みになっています。
決済をするときは、利益が出た時は少額、損失が出るときは多額になって、資金の全てがなくなるか幾分かの利益を得るかの2つに1つなのです。
しっかり損切りしない限りは。

その後

10年かけてコツコツと貯めてきたお金を一瞬にして失った時、死のうと思いました。

「お金より大切なものがある」と言われますが、当時の私はお金が全てでしたから、全財産を失うことは全てを失うことだったのです。

しかし、人間の脳はよくできていて、記憶は自然に消えていくようになっています。

良い思い出も悪い思い出も、忘れていきます。

そうしないと心がもたないからです。

全財産を失った時はもう立ち直れないと思いましたが、その記憶すらも少しずつ少しずつ忘れていって、立ち直りを後押ししてくれました。

全財産を失って自暴自棄になる最低な自分を知って、見えてきたものがありました。

自分がいかに小さい人間かを知るところがスタートだと思いました。

ほとんどのお金を失ってしまったので、できるかぎり自給自足で生きてみることを始めました。

上にも書きましたが、人間が生きていくうえでそんなに多くのお金は必要ありません。

必要最低限のお金で自給自足の生き方に挑戦しています。

振り返って思うこと

数年のうちに2回も全財産を失った私ですが、あれから5年ほど経った今思うことは、若いころに破産を経験して良かったのではないかということです。

もし60歳くらいで大きな財産がある時に先物取引をしていたら、損失は4000万円程度では済まなかったでしょう。

そうなったら本当に自殺していたかもしれません。

まだ働ける若い時に経験しておいてよかったと、今は強がりでなく思います。

死にたいと思えるような経験も、振り返れば人生の1ページでした。

破産後の生活
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