世界の状況
世界的なコロナショックをきっかけに全世界は金融緩和合戦に突入しました。
アメリカは「無制限の金融緩和」を決定し、日本でもそれ以前からアベノミクスで「異次元の金融緩和」を実施していますし、欧州でも金融緩和政策をとっています。
これによって世界にはお金がジャブジャブに溢れ、実体経済をはるかに上回っています。
つまり世界中のお金を使おうとしても買うものが足りない状況で、このような状況ではいつお金が紙屑に変わってもおかしくありません。
ハイパーインフレ以外の未来はない
昔は金本位制といって、紙幣を発行するときはその額に見合った金地金(ゴールド)が無ければ発行できませんでした。
しかし現在では金本位制はなくなり、銀行がいくらでも発行できるようになってしまいました。
全世界の国内総生産(GDP)=8500兆円
全世界の金地金の総額:800兆円
※2017年現在
まったく釣り合っていませんね。
GDPを上回るお金が発行され、その金地金(ゴールド)の裏付けもありません。
つまりお金は国の信用、この1点のみで成り立っているわけです。
しかしここまで世界にお金がばらまかれるとその信用が揺らいでしまいます。
そしてその結果、ハイパーインフレが起こります。
会社が前日まで全くその予兆が見られず突然倒産するように、ハイパーインフレは突然やってきます。
これだけ世界中にバラまかれたお金が生み出す歪は、ハイパーインフレという形で必ず修正されます。
バブルが必ず弾けるように。
中央銀行が恐れる新通貨
現在はアメリカのドルが基軸通貨として機能していますが、これはアメリカの中央銀行FRBが発行している券です。
日本では日本銀行が発行している「日本銀行券」がお金として使われています。
改めて強調しますが、お金というのは昔の金本位制のように金(ゴールド)による後ろ盾がないので、単なる紙であって、お金をお金たらしめているのは「国の信用」、この1点のみです。
国が発行しているからということで国民はそれをお金として信用し、お金は価値を保っています。
極端に言うと、日本人は日本銀行券という紙券を崇拝する宗教団体に加入している人の集まりですね。
ここで、世界的な金融緩和を考えると、世界的にお金が溢れている現状では、そのお金をお金たらしめている唯一の「信用」が崩れつつあるのです。
そんなときに出てきたのが、仮想通貨などの国の信用によらない通貨です。
2019年にFacebookが発表した通貨「リブラ」は世界の中央銀行を震撼させました。
特にアメリカは基軸通貨の地位が脅かされるのではないかと、躍起になって封じ込めようとしました。
つまりこれほどまでに世界中に中央銀行券が溢れる状況では、取って代わられる可能性のある通貨が出てくることが都合が悪かったのです。
とくにリブラは、当時投機目的で取引されることの多かった仮想通貨より安定した通貨ということで世界的に広まる可能性を秘めていたのです。
仮想通貨の可能性
現在のお金は中央集権の中で国の中央銀行がいくらでもお金を発行できる仕組みで、銀行が通帳にゼロを足していけばいくらでもお金が増えていく、もはや輪転機も回さないデジタルなものになっています。
考えてみれば、中央集権的に国がお金を管理しているというのは一見安心なようですが、無制限の金融緩和を行うアメリカや実質的な財政ファイナンスをやり始めた日本が出口のない地獄への扉を開けたことを考えると、国がお金を管理することの危うさが浮き彫りになります。
アメリカの中央銀行FRBはなんと民間銀行です。
そんな中で出てきたのがブロックチェーンという技術を使ったビットコインなどの仮想通貨です。
ブロックチェーンは管理している人や団体がなく、そこにこそ強さがあります。
ブロックというのは取引などが書かれた「台帳」のことで、その台帳をユーザー同士がチェーンで結んでユーザー全体で管理しているのでブロックチェーンと呼ばれています。
ブロックチェーン技術で作られたビットコインなどの仮想通貨は、そのシステムを使う世界中の人が分散して管理しているのです。
このような性質から、国が発行しているお金の価値に信用がなくなってくると、逃避先として仮想通貨が選ばれます。
2018年にキプロスで起こった預金封鎖によって、キプロスのお金持ちは資金を逃がすためにビットコインが大量に買われました。
世界に出回っている仮想通貨の総量は、30兆円程です。
全世界の金地金の総額:800兆円
全世界の仮想通貨の総額:30兆円
全世界に出回っているお金は10000兆円もあることを考えると、国が発行する通貨から仮想通貨に逃避する理由が分かる気がします。
例えば安全資産として有名な金地金(ゴールド)は、お金として使うことができませんので本当の不況の時は役に立たない可能性がありますが、仮想通貨であれば決済等に使うことができます。
資産防衛のために仮想通貨は1つの選択肢になりそうです。
・中央集権的に国が管理する通貨ではないため信頼性が担保されている
・現状、暗号は破られていない
・全世界の流通量がまだまだ少ない
・金地金と違って、お金として使うことができる
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